“仮想通貨バブル”終焉。しかし「ブロックチェーン」は進化し続ける |BEST TiMES(ベストタイムズ)

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

“仮想通貨バブル”終焉。しかし「ブロックチェーン」は進化し続ける

「仮想通貨元年」の幕引きと、ブロックチェーン時代における「ウォレット」の必要性

■ブロックチェーン時代、ウォレットに求められる役割

 現時点において、ウォレットに求められているのは「仮想通貨を安全に間違いなく管理することができる」ことだ。

「仮想通貨ウォレット」の新しい形を探る、森川夢佑斗氏。
(写真:今井祐治)

 しかし「ブロックチェーン技術の発展にともなって、ウォレットが果たすべき役割は拡大していく」と、森川氏は語る。

「現在、主流のWebアプリケーションは全て、中央管理者による巨大なネットワークによって提供されています。ブロックチェーンの発展にともなって、これらに取って代わる分散型アプリケーション(DApps)が登場してくるでしょう。そして、分散型アプリケーションをユーザーが利用するには、各ユーザーが自分の端末に秘密鍵を持っていることが前提となります」

「ただ仮想通貨を管理するだけ、決済できるだけ」ではなく、分散型アプリケーションを利用するためのブラウザ、インターフェイスとしての役割を果たせるウォレットが今後必ず求められるようになる。

 そのためには、生活のなかで気軽にブロックチェーンにアクセスできる、モバイルウォレットが重要になるだろう。

 ブロックチェーンがもたらす分散の時代において私たちは、これまでネットワークやコミュニティに預けたままにしていた「権利」や「情報」を取り戻していくことになる。

 Gincoのようなウォレットアプリケーションは、来るべき分散の時代への第一歩として、仮想通貨のコントロール権を自分の手元に取り戻す良い契機となるはずだ。

「分散の時代」をテーマにコラム執筆も行っている森川氏だが、直近ではイベント(https://launch-event.ginco.io/)を実施。分散型アプリケーションとして、ブロックチェーンを利用したゲームやSNSの開発者とブロックチェーンの未来を語らう。

「ブロックチェーン技術がどのように使われるようになるか」という未来像については、ビジネスの最前線で戦う彼らの生の声に勝るものはない。分散の時代を覗きこむ意味でも、Gincoの動向には目が離せない。

KEYWORDS:

オススメ記事

森川 夢佑斗

もりかわ むうと

京都大学在学中にAltaApps株式会社を創業し、仮想通貨のウォレットアプリ開発やブロックチェーンに係るコンサルティングを行う。現在は、株式会社Gincoの代表取締役として、仮想通貨時代の新たな銀行の構築を目指す。著書に『ブロックチェーン入門』(ベスト新書)、『一冊でまるわかり暗号通貨2016~2017』(幻冬舎)など。


この著者の記事一覧

RELATED BOOKS -関連書籍-

ブロックチェーン入門 (ベスト新書)
ブロックチェーン入門 (ベスト新書)
  • 森川 夢佑斗
  • 2017.05.09